ヨガ

◎中高年もフィットネス

　すわったまま、寝たままで体を動かす「Ｚｅｎヨガ」は、中高年にも無理のないプログラムだ　（「セントラルウェルネスクラブ東十条」で）負担軽い「ヨガ」／介護予防の「太極拳」
　フィットネスクラブが、中高年向けに変身中だ。体への負担が少ない「オリエンタル（東洋）系」のプログラムを開発したり、寝たきりにならないための「介護予防」に取り組んだり。かつて若者が主流だったフィットネスクラブに６０歳以上の会員が増加していることが背景にある。

　「セントラルウェルネスクラブ東十条」（東京）にインド風の音楽が流れ、「Ｚｅｎヨガ」がはじまった。照明を落として薄暗くしたスタジオで、参加者は座ったまま、寝たまま、ゆっくりと体を動かしていく。長く体を動かしていない熟年でも楽しめるようにつくられたプログラムだ。

　フィットネスクラブにとって、中高年は大事なターゲット。このクラブを運営する「セントラルスポーツ」の場合、６年前には６％だった６０歳以上の会員が１８％に増えた。このため、体をゆっくりと動かすヨガや太極拳などのオリエンタル系プログラムの開発に力を入れる。

　「特に平日の昼間は中高年層が多く、仲間づくりの場になっている。今後、団塊の世代の定年退職に備えて、ふさわしいプログラムを提供していきたい」と同社管理本部経営企画室の神戸二郎さんはいう。

　介護予防や生活習慣病予防に取り組むフィットネスクラブも多い。

　「東急スポーツオアシス」（東京）では、介護予防プログラムを早稲田大学と共同開発した。初心者向けの「いきいき太極拳」と、いすに座りながらの運動を中心にした「らくらく体操」の２種類。

　高齢者を対象に３か月間、試験的に実施したところ、足の筋肉の維持・向上などの効果があったという。参加した木下実さん（７４）は「太極拳のおかげでつえがいらなくなり、気分も明るくなった。続けることが大事なようです」と話す。

　今年８月から、同社が東京都新宿区に開設する「フィットネスカレッジ・新宿エクササイズルーム」で、このプログラムを使った運動教室を開く。将来的には、各店舗で提供していくという。これとは別に、区からの委託を受けて高齢者を対象にした介護予防教室も開催する。

　「コナミスポーツ＆ライフ」（東京）でも、生活習慣病予防プログラム「シックスウィークス」を提供している。高血圧、高脂血、高血糖が気になる人のための６週間の運動プログラムだ。食事の指導もあり、自宅で作るのが難しい人には追加料金で健康食を提供する。

　フィットネスクラブ運営企業で作る社団法人「日本フィットネス産業協会」では、「介護予防や生活習慣病予防への取り組みが期待されており、今後も中高年を意識した施設、プログラムは増えていくだろう」と話す。

（2006年6月11日  読売新聞）

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